「GLOBE LIVE 2010 明日を元気にするために」は、星☆☆☆!

2010年10月17日(日)開演14:00 東京国際フォーラムホールC 「朝日新聞 GLOBE LIVE 2010 明日を元気にするために」に参加。 TALK GUEST◇医師・黒川清教授、緒方篤監督、作曲家・藤倉大氏、東北トラベル代表・山口スティーブ氏、サキC社長・秋山咲恵氏、国際協力銀行COE・渡辺博史氏 ◇PIANO・村松崇継、VOCAL・坂本美雨 ◇司会:野村真希アナ、山脇岳志編集長、石合力副編集長、高橋万見子論説委員
以下、当日のメモよりトークの概要を記す(※少々粗っぽいがご容赦を)。

山脇) GLOBEは、ルポ・現場からの視点から製作。記者クラブに属さず、4頁ほどを3~4人が、3か月かけて作る。企画編集から、記事から割付全て、WEBサイトもである。インターネット時代、ニュースはお金を払わなくても入手できるようになった。そうした中で新聞は、徹底した読みの魅力を高めることが必須。リアリズムの視点、物事を多角的に見る、現実の複雑さを安易に単純化せず捉えることが大切だ。創刊から2年。当初、横書きや白い紙質など違和感あり散々だったが、最近はGLOBEの掲載日は売店で購入。編集者冥利に尽きる。編集デザインもアート・ディレクターの木村裕治氏を交えて表紙レイアウトでも、写真にするかイラストにするのか喧々諤々、細部にまで拘って「実験」を繰り返して編集している。

◇「人材」を育てる

黒川) なぜ、東大からノーベル賞が出にくいか。確かに学生は優秀で予算も多いし恵まれた環境だ。だが、一方、純粋培養された東大から外に出たことがない「四行教授」によるぬるま湯体質が原因。小柴氏や根岸氏など反骨精神を持った人はごく一部だ。特権を削ぎ、他流試合をすることが大切。野球でも野茂の大リーグへ挑戦が日本人のメジャー活躍を切り拓いた。
世界は広い。その中で生きてみることが大事だ。自分は恩師から人を育てる極意を学ぶ。海外では2、3年したら自分のやりたいことにチャレンジせよ。他人の手足となるのではなく、自分の興味がある分野に挑戦すべしと。日本は縦社会でよそ者に閉鎖的だが、アメリカは実力さえあれば評価される。そのため、競争相手と同じ土俵に上るために資格取得の勉強も並行して研究していたからとても大変だったが、楽しい日々でもあった。それでUCLAの教授にもなれた。履歴書とは、自分の使命を表するものにすべきだと思う。
帰国して思ったことは、確かに日本の学生は優秀だが、進むべき道の選択肢がきちんと示されていない。オウムにその才能を埋もれさせた学生もおり、教育が一番大切だと痛感する。いまの日本の医学部教育はマイナス、社会と学生双方にとって不幸。アメリカや、最近では、韓国でも始まったメディカル・スクールから学ぶべきだ。アメリカなどでは、4年制の大学を卒業してから医学部に入学する。また、社会経験を持った人も医学を目指せる環境だ。しかし、日本の医学部は6年。臨床が始まって4年時になって自分は医者に向いていないと気づいても、退学すれば大卒資格は与えられず、中退となってしまう。ミスマッチのまま、進路を変更し難い制度である。
このところ日本は元気がない。国際ランキングも下がっている。経済が停滞しているからだ。冷戦崩壊から20年、経済のグローバル化で産業構造が変化、かつて日本の経済を牽引していた製造業が、アジア・アフリカにシフト。また、WEBによる情報、モノ、人の流動性が増大。これからの世界は、国境を越えた人との結びつき、人とのネットワークが財産だ。
留学生が減っているというが、外から日本を、また、自分を眺めてみることが大切だ。そこには、インターネットでは知り得ない生の世界があり発見がある。いま、学生には一言、福沢諭吉の学問のススメに倣って「休学のススメ」を提唱。留学で築いた人的ネットワークは、例え仕事の分野が変わっても大きな力となる。

◇「創造力を」発揮する

藤倉) 5歳からピアノを習う。だが決められたように演奏することには嫌いだった。それで自分が作曲すれば自由に演奏が出来ると思い10歳から作曲家を目指した。ヨーロッパでは、人々が生きるうえで一番大切なものは芸術と答えるほど、芸術に対する理解があり仕事がし易い。日本やアメリカは、ヨーロッパのような商業音楽と芸術音楽との違いに対する理解が薄い。作曲で難しいのはアイデア自体だれでも湧くが、それを楽譜に表すことが出来るかだ。

緒方) ハーバード大でコンピュータサイエンスや哲学を学ぶ。富士通勤務、やはり映像の道に進みたいとマサチューセッツ工科大ビデオアートを専攻。短編コメディー「不老長寿」が国内外で高い評価。長編「脇役物語」を製作。ヨーロッパはアート教育や支援、新しい事に挑戦させてくれる。冒険させてくれる。オランダでは、自由に撮って良いからと映像作品の出展依頼があった。

◇「ヨソ者」の視点を生かす

山口) 政治にどっぷり依存した公共事業では持続可能性がないことは明白だったので、建設業を廃業し旅行会社を起業した。但し、企画は観光旅行でない受け身でない旅行だ。体験型・参加型の旅行プラン。だれもが小国城址(山形県最上)を訪れれば400年前の戦国時代を体感できる。まるで移動式の芝居のようなプラン。要はどうプロデュースするかだ。民具や料理にしても一つひとつが、海外には見られないとても手の込んだものが多い。「こだわり」こそ日本の美点だ。また、旅行客を招くことによって、住民の意識に変化、積極性が地域活性化のカギだ。
自分は、日本人でもアメリカ人でもある前に人間、地球市民だ。日本は明治以来、国家のための国民づくりをしてきた。だから、どんな時もお上が何かしてくれるという受け身体質が染み込んでいる。

◇「壁」を突破するために

秋山) 2007年には売上高50億円、世界シェア2位まで成長。リーマンショックでそれまで順調だった経営が急速に暗転。売上は3分の1まで落ち込み、25億円を個人保証して乗り切った。その時、自分で最悪の状況を想定。四畳半一間、裸電球で家族と暮らす生活をイメージしたが、それは自分の許容範囲であった。そうしたら不安が薄らぎ冷静に考えることができるようになった。冷静になると、何を目指して起業したのか考えることができ、また、自分がなすべきことが明確になった。

渡辺) 自分の座標軸を持つ。いまや、アウェーはサッカーだけ、世界のどこでもホームとして闘う時代。「案ずるより産むが易し」である。

◇ おまけ 英語習得について

渡辺) 世界中で英語を話す人の70%はノンネイティブ。ネイティブを意識し過ぎる必要はない。具体的には耳を慣らすこと、難しい言葉、特に長い単語は途中で発音がうまくいかないと壁になる。1500語で会話できるという本もある。口を動かすことも大切。歌もよい。

山脇) ある仕事関係者からのアドバイス。帰宅時、駅から家までの5分間を利用して、その日あったことを英語でつぶやくようにしていると。朝の出勤時は通勤者から異常者とみられてしまうので夜が良いと言われ実践している。一日、英語を使わないと取り戻すのに3日かかる。

以上、内容充実、有意義なイベントに感謝☆

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